鳥羽なかまちで発見!こだわりの旨味!
皇學館大学記者
店内に足を踏み込んだ瞬間、くん製の熟成された香りに身体がつつまれました。ここは、鳥羽なかまちにある海童工房 魚寅さんです。代表の杉田公司さんを訪ね、お店の商品を生み出すくん製窯の秘密、おすすめレシピ、全国への発信について、お話を伺いました。
おじいちゃんのお店をDIY!手作りのくん製窯!
魚屋だったおじいちゃんのお店を1994年に改装したの魚寅さんの始まり。杉田さんは、お父さんが魚市場で売れ残っていた魚を加工し販売していたのを思い出し、くん製を作り始めました。当初は市販の小さな窯で作り始めましたが、注文が増え生産が追い付かなくなったため、奥行き2倍、大きさ7倍の窯を手作りしました。お店で実際に見ると、人が中に入れそうなくらいの高さがあり、手作りとは思えないほどしっかりしたつくりになっており手作りとは言われるまで分かりませんでした。鳥羽は高温高湿度で本来ならくん製づくりには向いていないそうです。それでも杉田さんは鳥羽でくん製を作りたいと、エアコンなどを使い人工的に環境を整え、くん製を作っています。取材していた時に使っていたメモ帳にもくん製の熟成された香ばしい匂いが染み込み、帰宅後もしばらく美味しそうな匂いがしていました。
美味しさ引き出す!万能調味料「魚醤」
杉田さんは旨味を追求した結果発酵食品に興味を持ったそうです。そして魚を塩漬けし発酵させた魚醤を作りました。魚醤って何?どうやって使うの?と思う人が多いかもしれません。杉田さんおすすめは、手羽元の唐揚げです。手羽元を魚醬に7・8分漬け片栗粉をまぶして揚げます。他に鍋や焼きそばにも合うそうです。
魚寅さんのホームページに、くん製や魚醤を使ったレシピが紹介されています。
→海童工房 魚寅http://www.kaidoukoubou-uotora.biz/
私も取材当日に魚醤を買う予定でしたが、前日に売り切れたため買うことができませんでした。次の機会に買って使うのを楽しみにしています。
こだわりの海の旨味を全国へ
杉田さんは、志摩スペイン村のレストランにも商品を提供しています。素材から製法までこだわったその商品は県外のお客さんにも人気で大阪や愛知からも買いに訪れる人が多いそうです。7月には多気町のVISONでも販売を行っており、さらに9月には福岡でも販売を行う予定だそうです。福岡の博多ラーメンにも魚醤が合うかもしれませんね。
杉田さんは、伊勢まだいとトロさわらの2種類の新しい魚醬を開発中で、さらに、その新しい魚醬を使い、若い女性や子供が食べ歩きできるパイのようなお菓子をつくろうとしています。塩分を入れすぎないようにしつつ、魚醤の旨味を残すのが難しいそうです。これから杉田さんがどのようなお菓子をつくるか楽しみです。
皆さんも鳥羽なかまちに来て、魚寅さんのこだわりの海の幸をぜひ食べてみてください